フィナステリドの経皮吸収とは?

フィナステリドは、前立腺肥大症や男性型脱毛症(AGA)を治療するための医薬品に含まれている成分で、テストステロンという男性ホルモンが、体内での代謝によってDHTと呼ばれる物質へと変換される過程ではたらく還元酵素を阻害することによって、すぐれた治療効果を発揮するものです。
この還元酵素は、前立腺をはじめとした男性特有の組織でのみ合成されているものであるため、例えばフィナステリドを女性の脱毛症を治療するために用いても効果はなく、かえって副作用のリスクのほうが高いものとされています。
アメリカでフィナステリドの医薬品としての承認を行っている米国食品医薬品庁(FDA)では、フィナステリドを含有する製剤が女性に触れることがないようにという注意喚起をしており、これは妊娠中の女性が摂取すると、男の赤ちゃんの生殖器に異常を起こすおそれがあるという理由によるものです。
現在流通しているフィナステリドの製剤は、そのままの状態であれば表面がコーティングされており、なかに含まれているフィナステリドが直接露出するようなおそれはありませんが、アメリカで特に問題となっているのは、意図的に錠剤を砕いて飲みやすくしてから飲むといった、通常でない服用方法が割とポピュラーに行われており、その際に砕け散った粉末に含まれていた有効成分が、妊婦の皮膚を通じて体内に取り込まれてしまうことがあるということです。
このように、皮膚から有効成分が体内に摂取されることを「経皮吸収」と呼んでいますが、普通に錠剤を口から摂取した場合と何らかわりがなく、フィナステリドは体内で効果を発揮してしまうことになりますので、誤った飲み方はしないよう注意が必要となります。